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15時17分、パリ行きの8bitのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.0
ニュースなどで「自分は当たり前の事をしただけ」とか「無我夢中だった。体が勝手に動いた」といった言葉を目にする事がある。
勇敢な行動に感心する反面、自分が同じ立場だったら…と考える。

彼らが起こした咄嗟の行動はまさにニュースで目にした言葉そのもので、それは人生における様々な経験から導き出されたものだった。
出会いも、別れも、努力も、成功も、挫折も。人生に何一つ無駄な事なんて無かったのだ。
また、彼らがどうしてあの場に居合わせたのかということも丁寧すぎるほどに描かれていた。
なんの映画を観ているのかわからなくなるほど長いイタリア観光やアムスでのシーンも、15時17分パリ行き高速列車へ乗り合わせるという運命の巡り合わせのために必要だったのだ。
彼らがあのバーで「アムスはいいぞ」と言われなければ、彼らがあの列車に乗る事はなかったのだから。

いつか自分にとっての〝15時17分〟が訪れるかもしれない。
そのときに正しい判断と行動ができるような人生をおくれているだろうか。
感動とともに辛辣な事を突き付けられているような気持ちにさせられた。

【以下、ネタバレ】
アンソニー、アンタそこはお気に入りの自撮り棒で応戦しなさいよ。
他の乗客!列車を降りた目の前にスペンサーがいるのだから感謝くらいしなさいよ。
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