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15時17分、パリ行きのsxhのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.9
映画になり得る出来事は、誰の身にも起こり得る日常。この映画はまさにそんな疑似体験をさせてくれる映画だった。

恥ずかしながらこの映画の予備知識がなく、主演の3人をはじめとするキャストを本人たちが演じてることを知りませんでした。だから最後にそれを知ったときはとても驚いた。この映画にすっかり感情移入してしまったのはその意味では必然だったんだな。3人の友情も、生い立ちや背景も、何気ない会話の一つ一つまで全てがリアルで、この映画には何一つ欠くことができない要素だった。この切り口の実話の描き方はありそうでなかったんじゃないかな。僕はこの映画を自分自身の映画として観れた。そう思える映画に出会えることは滅多にないです。

イーストウッド監督、あの御歳でここまで突き詰めて実話映画を撮る探究心にはひたすら感服。恐れ入る。新進気鋭の若手監督じゃなく、大御所がまだまだ映画でできる表現方法は無限にあると思わせてくれるなんて、映画ファンとしては心が躍るし、感動的。これからもずっと実話映画を撮り続けてほしいなぁ。

とっても良い映画観て久しぶりに語ってしまったーー。数はまだ少ないけど今年観た中では今のところずば抜けて素晴らしい作品でした。ひょっとしたら後々振り返ったときに、これは2018年の一本ではなく、僕にとって人生の一本としての映画になってるのかも。
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