TANAKA

15時17分、パリ行きのTANAKAのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.9

真っ当に映画か現実かの境目がなくなるものすごい作品。

イーストウッド監督は実際に起こった事件、記録を映像化して世界に発信してるけど、今作は主要キャスト(テロに遭遇し、食い止めた3人、撃たれた人、その妻など)が役者ではなく当事者と言う驚愕の事実。

彼ら的には芝居をすると言うよりは彼らの体験をもう一度追う形になっている。

ざっくり言うと約90分にしては少し長いと感じるが、彼らが出会いテロに至るまでの経緯などテロは旅行中に起きた為旅のシーンも多い。
見所のテロに遭遇するシーンも短い。しかし、それらは全て彼らの人生を構築していて、もしなければテロに直面した時また違う事実が生まれているので必要と感じた。

今作はまだテロ未遂に終わったものだが、いつどこで何が起こるかわからない社会状況という現実をアピールし、それを防ぐのはもしかすると自分かもしれないと言うテロに対する危機感も植え付けてくれる。

ごくごく普通の人間がヒーローになる。
「運命に背中を押される瞬間」が誰しもあるはずと勇気付けられた真実の歴史を見た。
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