Akiyoshi

15時17分、パリ行きのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.7
2015年、アムステルダム発パリ行きの特急列車内で起こった無差別テロ事件の真実が、事件の当事者3人を主演に据える驚きの手法、同監督史上最短の94分で描き出される。

クリント・イーストウッド。87歳。
極限の実話に挑む。まさに挑戦。

近年の彼の作品は、「アメリカンスナイパー」や「ハドソン川の奇跡」など現実世界でのヒーロー的な活躍を描くリアルヒーローが多く見られる。本作品も実話であり、またしてもリアルヒーローが描かれる。イーストウッドの鉄板ネタになってきた感じのリアルヒーローもの。今回はより強くリアリティを高めることに集中している。

「今、誰もが直面するかも知れない現実」
あなたが乗っている電車に拳銃を持ったテロリストが居たら…ありえないだろうか?いや、ありえてしまう。それを自覚させるようなリアルなストーリーである。

実際のテロ事件に直面し、事件の当事者でありテロリストと戦った若者たちを役者ではなく「本物の3人」に演じさせ、さらに乗客として居合わせた人たちが出演し、実際に事件が起こった場所で撮影するという現場再現度。すごい。

若者3人がどのように成長して、どんな過程を経て、まるで運命に導かれるかのようにテロと対峙する。観客はクリント・イーストウッドが描くリアリティショーの目撃者となる。
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