当事者が当事者を演じる。これはArt-based researchの実践としても見てよいだろう。
ゆえに、この映画を物語映画としてみるべきではないように思う。
彼らはあれだけの体験をした後、再びその体験へ向かって再演をしている、そのドキュメンテーションである。
あの体験はどれだけ称賛されたとしても、決して癒えることのない傷であろう。それを再びフィクションとして再演してみること、この価値はArt-based researchの実践として考察されなければならない。
芸術が治療的に道具化することに賛同できないが、それでもこの自身の体験をフィクションとすることの意義は無視できない。