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15時17分、パリ行きのKのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.9
2015年8月21日に高速鉄道タリス内で発生したイスラム過激派による銃乱射事件にたまたま居合わせ、事件に立ち向かった幼馴染3人のアメリカ人の若者の半生を紐解きつつ、普通の若者がヒーローになるまでがリアルに描かれる。

事件後に3人が自分たちの体験をまとめた本がベースとなり、本人が本人役を演じる形となっている。素人らしさが全くない演技には驚き。

余談ですが、映画化されるなら、3人はザック・エフロン、クリス・ヘムズワース、マイケル・B・ジョーダンに出演してほしいと願っていたそうです。笑 でも逆に本人たちで良かったと思いました。

敢えて映画っぽくないというか、普通っぽい描き方が臨場感が湧く仕組みとなっていて、いかに普通の(むしろ子供の頃は問題児の)若者がテロに立ち向かったかが非常にリアルに描かれており、彼らが突然の事件に機転を利かせてどっしりと冷静に対応する姿に感動しました。

“神よ、わたしをあなたの平和の道具としてお使いください。”スペンサーの祈りの言葉が最後すごくずっしりと響きました。

それでも、ヒーローになる前もヒーローになってもなお、彼らは彼らのままなのだろう。そんな風に思わせるストーリー仕立ては流石のイーストウッド。
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