河豚川ポンズ

15時17分、パリ行きの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.2
1時間半かけた世界仰天ニュースのVTRみたいな映画。
観てみて初めて分かったけど、さすがにこれはそりゃあ評価が芳しくないわけだわ。

2015年8月21日、高速鉄道タリスのアムステルダム発パリ行きの車内で起きた銃乱射事件。
高速鉄道の車内という密室で起きたこの凶事を食い止めたのは偶然居合わせていた、とあるアメリカ人3人だった。
しかし彼らのこれまで歩んできた人生には、彼らがそうしただけの理由があったのだ。

主人公も含めてほぼすべての人が実際に起きたタリス銃乱射事件に居合わせた本人たちで撮影された、というとにかくぶっ飛んだ発想で話題になったこの映画。
最近はこの実話・実物路線を猛進し続けるクリント・イーストウッドの1つの極地なんだろうけど、だからといって面白いとは限らないんだなあとしみじみ感じた。
これだったら「ハドソン川の奇跡」の方がずっと面白かったよ…

普通どう考えても観る前なら「トレイン・ミッション」みたいなアクションスリラーな感じを期待するけど、実際見てみたら1時間ちょっとかけて主人公たちの生い立ちをやるもんだから少しガッカリ。
彼らもいろいろなハンデや重荷を背負って生きてきたっていうのでそこにドラマ性があるんだけど、やはり先入観スタートでそれを覆すのはキツい。
映像的な迫力でもハドソン川の奇跡とかの方があったし、どうしてもこっちの見劣りが激しい。

なので自分は、昔こういう事件があったんだよっていうメモリアル的な映画だということで勝手に納得することにした。