勝ったのは農民だ

15時17分、パリ行きの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

今まで映画を観ていて「この人、演技うまいなぁ…♨️」と感じた洋画の俳優さんを思いつく限り挙げていくと(レビューは書いていませんが)、🤔

・『キャスト・アウェイ』のトム・ハンクス
・『ダーク・ナイト』のヒース・レジャー

・『ナイト・クローラー』のジェイク・ギレンホール

あと個人的につい最近観たため記憶に新しい

・『スプリット』のジェームズ・マカヴォイ
・『セント・オブ・ウーマン』のアル・パチーノ

とかいろいろあって、挙げていくとキリがありません。
「俳優さんで誰が1番演技がうまいと思う?」なんてお題は、答えがないので映画好きな友人とのいい時間つぶしにはなると思います。

要は、洋画の場合、繊細な表情の演技よりも目立つ表情の役の方が、「演技が上手い」って強く印象に残りやすいです。


じゃあ逆に、洋画の俳優さんで、「この人、演技へたくそだな💢」と思った俳優さんに関しては、自分は意外と思い浮かびません。😅


これは自分の中で原因がはっきりしていて、「英語の発音がわからないため」です。洋画好きな人でも、こう感じるのはおそらく自分だけじゃないと思います。


伊集院光さんが(マドンナか誰か、忘れましたが)演技に慣れてないスターの主演映画を観て、

「この人すげえな❗️言語の壁を越えて演技が下手なのが分かるぞ‼️」

みたいなことを話してました。😂
でも少なくとも自分はそこまで酷い役者さんは観たことありません。
B級映画をたくさん観ていたならそういう感覚はあるかもしれませんけど、そんなに観ていませんから。


前置きが長くなりましたが、要は今作みたいな演技の素人を起用していたとしても、自分は見る目がないため👁、純粋に楽しみやすかったと言うことです。
今作のスペンサーやアレクやアンソニーの演技も、全然気になりませんでした。


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で、今作はイーストウッド監督作品の最近の作品の中では賛否両論あったというのは噂では聞いてました。
クリント・イーストウッド監督作品の中でも明らかに、「新しい映画の撮り方ができるかの挑戦作」って位置づけだと思います。🎥


自分の前のレビューが、高倉健さんの『あなたへ』だったんですけど、あれは顔をよく知ってる俳優さんばっかり出てきてそれも含めて楽しめた作品でした。😄
でも今作の現代パートは完全にそれと正反対で、あの事件の実際の車両を使って、主人公3人のみならず、あの被害者マークと奥さんのイザベルまで本人が演じたんですね(犯人役は別として)。

こんな場合、主人公たちが演技できないのは当たり前なんですから、演技が駄目だったとしても彼らを責めるのはお門違いで、監督をはじめとした制作側の責任だと思います。

ただ、主人公の幼少期はちゃんとした俳優さんが演じています。
特に、自分が去年観た中でもかなり好きな一作『ワンダー 君は太陽』で少し悪役を演じていたブライス・カイザー君と言う子役が、今作のアレクの幼少期を演じていました。😁

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結論を言うと、そんな感じでハードルを下げて観たせいか、かなり楽しめました。
それにメッセージ的にも予想外に自分の好きなタイプの話でした。😁





※ここから先は結構ネタバレします。


(好きなポイント)

①まず主人公が、ADD(注意欠如障害)を持っていた点です。

「そんな人たちにも、何か世の中の役に立つ手段はきっとある」ってメッセージでもあるので、それだけでまず好感が持てました。♨️


②そして、イーストウッド監督の前作『ハドソン川の奇跡』✈️。(あれもすごい好きな映画ですけど、)あれとも共通するメッセージがあります。


「いざって時に、正しい判断をして正しい行動を起こせるか❓」もそうですし、
「1人でも死んじゃうと英雄的な美談にはならない」って意味でも一緒です。

「人生何事も頑張ってやったことは、無駄にはならない」ってテーマもあります。

で今作に関しても、主人公の今までの行動がちゃんとした伏線回収になってるのが、気持ちよかったです。


③あと、イタリア旅行のくだり。

事前情報としてそういうシーンがあるのは聞いていましたけど、本当になんのこっちゃない、ただの主人公たちのイタリア観光旅行です。🇮🇹
特にアムステルダムのナイトクラブで羽目を外して案の定の二日酔いするくだりは、本当に「ズッコケ3人組」的なノリです。🇳🇱😅

そこを退屈に感じる人も少なくないと思いますけど、自分は海外旅行に行くエネルギーや時間がないので、逆にあんな自由なイタリアの名所を巡るくだりを観るのって全然嫌いじゃありません。



(マイナス点)


❶幼少期パートの学校の先生たちが、ちょっとステレオタイプな悪役に見えなくもないですけど、前作の『ハドソン川の奇跡』🛩の劇中のある人たちが悪役っぽく描かれているという批判がつきまとうのに少し近いです。

❷ 撃たれた被害者のマークがその後どうなったのかの説明や、なぜ犯人の銃が不発に終わったかの説明が少し分かりづらかったです。🔫


❸「運命につき動かされている」という表現がよく劇中で出ますけど、個人的には自分の好きな言葉ではありません。😥

特に冒頭、犯人が電車に乗り込むシーンから始まるわけですし、「運命につき動かされている」がテーマなら、どうして彼がいあの犯行に至ったのかのストーリーも観たい気がします。
ただそれを入れるとこの94分という短い上映時間には収まらないと思いますけど…。🤔



これらのマイナス点、もやもやする感じのポイントはありますけど、やっぱり自分は絶対に嫌いにはなれない作品です。😤

イーストウッド監督自身もBlu-rayのメイキング映像のコメントで「解釈は人それぞれだよ。」みたいなことを言ってますしね。
そのメイキング映像も面白かったです。😄

やっぱりクリント・イーストウッド監督の演出力や今作スタッフの能力ってすごいと思います。👍
最初はプロの俳優さんのキャスティングをオーディションして一旦決めていたけど、主人公3人の顔写真を見て、やっぱり本人たちで撮影しようって決めたらしいです。


今作の音楽はクリスチャン・ジェイコブさんと、トーマス・ニューマンさんの共同制作だそうですが、ラストであぁいういかにもイーストウッド映画っぽい音楽が流れるだけで「あぁ、いぃ映画だったなぁ♨️」って気分になりますしね。🎶


イーストウッド監督作品、まだまだ元気で映画を撮り続けて欲しいですし、自分はまだ観れてない近作も観たいです。🎬