わじ

15時17分、パリ行きのわじのネタバレレビュー・内容・結末

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト20分を描くためにそれまでの70分間を丁寧に、リアルに描き出すリアリティ(ドキュメンタリー)映画

前情報0で見たので、ラストで衝撃でした
見る予定の人はまじでネタバレ見ないことをおすすめします
パリへと進む列車の現在と、主人公3人の過去が交錯しながら進む展開は、余計な説明がなく(むしろ丁寧すぎてこのシーンいる??ってなるくらい)わかりやすい構成になっている

たぶん 演出が〜、脚本が〜、テロと戦うアクションシーンが〜ってところを期待して見た人にとっては物足りない作品かもしれない
ただ、いちイーストウッドファンとしては、彼の年齢、キャリアをもってしてもまだ新しいことに挑戦する気概と、犯罪もヒーローも常に日常と隣り合わせあることで いつ自分がその当事者になるか そのメッセージを一番リアルに表現できる方法は何か?と模索する探究心に心打たれました

『アメリカン・スナイパー』や『ハドソン川の奇跡』、最近だと『運び屋』のように、いずれも実在の人物をしっかりと映画の中で描ききることで、その個性をエンタメとして表現する術も素晴らしいけど、本作のように余計な演出は入れず、むしろ現実を限りなく忠実に再現することで映画の外(見終わった後)にちゃんとメッセージが伝わる作品を残せることも本当に彼の魅力的だと感じた

「映画」としての評価が分かれる作品だと思うけど、私は創り手の息遣いや想いが感じられて大好きな作品になりました
わじ

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