ヴィズ

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「エンジェルス・イン・アメリカ 第二部 ペレストロイカ」のヴィズのレビュー・感想・評価

4.6
8時間(2幕休憩4回)見終わりました。

8時間前から同じテンションで貫いてくれたので大満足。全然見飽きなかった。寧ろもっと観ていたいとさえ思える。お尻は痛いけど。

今回後半。前半以前から積み上げていた罪(意識)の清算(向き合い方)。
アメリカに降り立った天使から授かった啓示。それに直面する事で劇全体の答えを提示しつつ、預言者は自らを含めた全ての人物を掻き回していく。人物達は引きずっていた問題を抱えたまま、拗らせつつ、其々らしさを持ったまま、其々の形で区切りをつけていく。

もう全部のやり取りが面白かったし、前半から分かっていた其々の魅力はそのままか以上に拗れてくのでどの場面も飽きない。大体が1対1のやり取りな群像劇なので意識の食い違いがしっかり分かる。とにかく楽しかった。

一つひとつのシーンや台詞が名言に聞こえるのに、混じり込むギャグと迷言の多さよwギャグ一つひとつも秀逸で遊び過ぎだろとw思ったらシリアスに引き戻される。

後舞台セットは後半になってより大掛かりに。あれ何で光ってるんだろ。とにかく真っ暗な大広間に対して一点に集中させる素晴らしい舞台でした。

演技は凄過ぎて言う事無いんですけど、天使の動きの黒子さんもこれが世界トップクラスの動きかと感心しました。

これだけの尺を贅沢に使った理由がはっきりと分かる。あの登場人物達を筆者が止められる訳ないし、尺が長いおかげでワンシーンワンカット全てが名シーンに思える。2時間映画単品じゃ写しきれない、1クールドラマでは間切が悪い等一切なく。ゆったりと素晴らしい展開を眺めつつ、物語は本当にゆっくりと静かに幕を閉めていく。全くもって素晴らしい8時間でした。
ヴィズ

ヴィズ