せりな

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「イェルマ」のせりなのレビュー・感想・評価

3.5
カルチャヴィルの中村さんに「イェルマ」はズンってくるけど、面白いと言われてたのがよくわかった。リアリズムを突き詰めた脚本と演出に、役者の凄まじい熱量の演技で濃密な舞台だった。
NTLiveではなく、直接目の前で見たら、飲み込まれてしまいそうな迫力だったけど、客席と舞台を隔てるアクリル板が緩和させてたのかな?

演出家の翻案と演出力が秀逸で、重いテーマを生々しく展開させても消化不良を起こさないのは本当に凄いと思う。初演の時32とか言ってた気がするけど、まだ若いよね。
主演のビリー・パイパーもフラットな状態から徐々に狂気の域に落ちていくのを自然に演じていて、ローレンスオリヴィエ賞をとってるのも納得だった。

共感出来る人もいると思うけど、自分の遺伝子を残すことに執着している理由は想像する事はできても、私自身はイェルマの気持ちはわからないな。
いま、仕事で妊活に関わっているせいで、この作品はとても重かった。今から80年くらい前に男性作家が、こういうテーマで書いてるのも興味深かったです。

プレミア上映だったのでアフタートークも楽しかった!
舞台の熱量が凄くて眠れなかった 笑
せりな

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