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それだけが、僕の世界のsobayuのレビュー・感想・評価

それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)
4.0
2018年『ボヘミアン・ラプソディ』『アリー スター誕生』と来て最後に今作もぶっちぎりに音楽映画だった。役者の演技力に驚くという意味ではこの映画が一番かも。ピアノを弾く手の動きよ! 音楽的素養がないので例えが映画になるけれど、アクションで言えばドニーイェン級の凄さ。ギターの早弾きを見てるよう。

お話もベタな家族もののようでいて、ちゃんと現代的にアップデートもしてるというか、家父長制社会の中でのシングルマザーの辛さを描くところなんて今日的だ。(ただ家父長制を否定しながらも家族の呪いは強固なんだよな。そういう意味では『こんな夜更けにバナナかよ』の方が一歩先を行ってるとおもう)

落ち目のボクサー役に真実味をもたせるために装着済の魅せ筋を落としたイ・ビョンホン、本来は格好付けたらどこまでも格好いいのに、冴えない役をやったら本当に垢抜けないビジュアルになるの最高にいい。コミカルもシリアスも肩の力が抜けて自然体だった。

大家の娘役のキュートな女の子、検索したら親:チェ・ミンシクって書いてあるけどマジか...。

とにかく圧巻の演奏シーン、彼がこれほどの演奏ができるようになったと分かった時点で映画の方向性が決まったんじゃないかな。それくらいすごい。

何気ないラストカット、もう少し見ていたいと思う一瞬手前で終わるタイミングが私の中で完璧だった。
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