たくみ

それだけが、僕の世界のたくみのレビュー・感想・評価

それだけが、僕の世界(2018年製作の映画)
4.0
2019もいっぱい映画みるぞー!と言うわけで本年一発目がこれでした。絶対これを一発目に観たかったわけではなく単なる時間と休みの都合です(^_^;)

15~6年前の韓流ドラマブームの頃に回帰したかの様なコテコテの人情劇。家族が一つ障害を乗り越える毎にまた一つ襲って来る新たな障害。正直この手のお涙頂戴モノは好きじゃないんですが、この作品に決定的に「それだけでは終わらない何か」を与えているものがあります。それはピアノ。

主人公ジョハの弟ジンテはサヴァン症候群(いわゆる自閉症)だけどピアノの天才だったって設定で、実際に見事な演奏をするわけですが、安物の映画だとピアノの演奏シーンは手元だけ写すとか、鍵盤は写さないって事になるのですが、今作ではどう見ても本人が演奏している様に見えるんですよ。しかもクラシックの超難曲のオンパレード。

ネットの情報によるとジンテ役を演じたパク・ジョンミンは撮影の三ヶ月前からピアノを猛特訓し吹替えなしで演奏シーンを収録した・・・そうなのだが、流石に素人がたった3か月でこれは無理だと個人的には思うんですよね。もし本当に演奏しているのだとしたら元々ピアノが堪能で、特訓で昔のカンを取り戻したって感じなんじゃないでしょうか?

まぁそれくらいリアルな演奏シーンでしたって事です。個人的にクラシック音楽に造詣は深くないですが、ピアノの演奏を見るのは大好きなので、正直これだけでもこの作品を観た価値はありました。それくらい素晴らしい演奏シーンでしたよ。

と言うわけでピアノの演奏シーンのおかげでクサいドラマ部分に随分リアリティが出てる気がします。ラストはちょっとジーンとしちゃいましたもん!

後ね、自閉症のジンテを結局みんなが認めていて、優しくはしても誰も特別扱いしないのがいいですね。数年経ったらもう一度観たくなる作品かもしれません。
たくみ

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