ベルサイユ製麺

モーターラッドのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

モーターラッド(2017年製作の映画)
2.9
このジャケを見よ!
凄く爆裂感が狂い咲きそうじゃないスカ!観る!

ブラジル映画。
ファーストシーン。まるでオウテカの2ndのジャケのような美しい山々の固定ショットが写し続けられる中、突如爆音をあげカメラ前を横切る黒づくめのバイカー達。ヤベェ、アガる!多分マッドマックスFRのオマージュ。

ストーリー↓
青年ヒューゴはバイクが大好き。廃品パーツなどを拾い集めては兄のオフロードバイクを弄っておりまする。兄のチームのドライブに混ぜてもらい、道無き道を進み、男女混じって湖でスイム。謳歌だな?
…それを小高い丘の上から見つめる4人の男。全身黒ずくめ、フルフェイスにバトルスーツ。リーダーらしき男はサバイバルサイフを携えている…。
はい!スラッシャー☻!!

個人的にはバイクに殊更興味は有りません。バイクといえば、毎月新車が登場でお馴染みのトミカのミニカーの今月の新車が確かバイクで、バイクに半透明なライダーがオマケでついてます。どうやって乗せるかと言うと、バイクのシートに突起があり、透明ライダーのお尻に凹みがあり、それを上手いこと、こら、タカラトミーけしからん!
バイクの名前でぼくを呼んで…

ブラジルの荒野の風景が誠に美しいです。安っぽい撮影機材の質感と相まって嘘っぽパラダイス感を醸し出しておいての、
ナイフびゅん!ゴロリ。切り株完成!ガソリンドボドボ!何?夜なのに凄く明るい!
ひたすら逃げるヒューゴと仲間たち。追う黒づくめの男達。ゴッド・スピード・ユー!フゥゥゥー!
…なのですけど、んー、展開に乏しい。監督、恐らくはバイクが著しく好き。走るバイクを撮りたい!…というか、撮影という名目でバイクに触れていたい!というモチベーションだけで作ったような雰囲気で(かと言ってバイクシーンがとりわけ優れているかと言えば…)、あまりアイディアを用意してなかったみたいなのですよね。“エンジンが!なかなか!かからない!!”って、何回やるんだよ!って感じです。黒ずくめの正体とかも別に無いです。撮ってるうちになんとかなると思ったのか、こら。
まあ元々そんなに大きな期待はしてなかったので別に腹も立たないのですが、勿体無い気はしました。要所要所センスを窺わせるショットも有りますし、変に小細工してこないところも好感が持てます。に、してもラストの意味の分からなさは弁解の余地無しです。正座して直接説明してもらいたいくらいでしたね…。

主人公ヒューゴ役のギリュルメ・プラテスの、野良のガエル・ガルシア・ベルナルみたいな面持ちだけは最高。君に免じて0.5点あげよう。
さあ、お行き。捕まるんじゃないよ。立派なベルナルに成って戻っておいで。