おれんじ

人魚の眠る家のおれんじのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.8
プールでの事故で娘が脳死状態に。
脳死を受け入れられずにいる母は最先端技術により娘の身体を操るように…。
夫はエスカレートしていく妻の行動に疑問を抱きはじめる…。

脳死判定は臓器提供が条件なんですね。
脳死、心臓死、何をもって死とするのか。その違いが重くのしかかる作品でした。
また、生きながらえている娘を機械でコントロールする科学の力と倫理観の境界線に登場人物皆が葛藤する姿がリアルで良かった。

子を持つ親の立場で考えたら、やはり我が子の心臓が動いていたら死んでいるとは思えなくて、いつか目を覚ますのでは?と延命措置を続けると思います。親のエゴかな、、本人にとってはどうなんだろう…。自分が脳死状態になったらどうして欲しいだろうか…色々考えながら鑑賞しました。

特にプールに引率した自分を責める祖母と
我慢ばかりの弟の姿が可哀想だった。
母はもう少し弟に寄り添ってあげてほしかったな…。子役たちの演技力の高さに驚いたし泣かされました。

少し演出が過剰かなと思うところはありましたが、思ってもみなかった角度からの真相や伏線の回収が終盤に集約されていて、さすが東野圭吾原作だなと。辛い話ながらも良い終わり方だったと思います。
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