祐吉

人魚の眠る家の祐吉のレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
1.5
類似した設定(?)の原作を得て、堤幸彦監督はジョージ・ミラー
監督の『ロレンツォのオイル』を撮りたかったのだろうか。
医療技術の進歩と倫理で揺れるテーマは興味深い。しかし、
ことごとく的を外した攻めの演出が、結果全方位的に無神経な
作品に。

まずプールで溺れて脳死状態になった子を"人魚”と表現する
こと自体、綺麗ごとにまとめようとするのはわかるけど、
逆に不謹慎。遺影も"あの写真”を使うかね?いちいち感動に
落とし込もうとする演出もいただけない。

そもそも発端は篠原涼子演じる播磨薫子の仕事にかこつけての
怠慢が発端なのに、叔母を攻め、なぜ自身を攻めることをし
なかったのだろう?面倒を見ることが贖罪のつもりだったの
か。そしてこういう事故で気になるプールの管理会社の責任に
ついては一切描かれない。賠償金や裁判もあったろうに。
すべてが綺麗ごと、そして感動に落とし込むため、なのだろ
う。
祐吉

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