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人魚の眠る家のkyokoのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.9
友人が当てた試写会に便乗。
原作未読。

思った以上に見応えのある作品だった。

まず演者にハズレがいない。
篠原涼子の鬼気迫る演技がこの映画に厚みを与えている。
子役も泣けたが、個人的には松坂慶子演じる祖母にいちばん泣かされた。(朝はあんなに笑かすのに)
そしていつも思うがミスターちんがなにげにいい演技をするw

わが子の脳死という恐ろしく悲劇的なテーマに倫理感やエゴイズムといったものが絡んで、観ている間はずっと胸が潰れる思いがしていた。誰も間違ってない。正解なんてあるわけがない。
それでも決断はしないといけない。
自分は「生きる(生かす)価値」という残酷な概念に立ち向かえるのかな。

終盤のエピソードやラストにいつもの邦画的なやり過ぎ感を感じるのは否めないけれど、今回は割合素直に受けとめられた。
ただあの写真だけがどーしても理解できない。

手ぶれ映像は三半規管を直撃するからほんとにやめていただきたい。
あの機械音がホラー。
荒木飛羽のイケメンぶりと田中泯の炉端焼きのクオリティは度が過ぎている。
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