スキピオ

人魚の眠る家のスキピオのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.5
「珍しく大真面目な堤幸彦監督」に一番びっくりした。なんだ普通にできるじゃん。

脳死患者へのロボット技術的なもの、人間の医療に急速に進歩する科学技術がどこまで関与するべきかをとことん突きつめていく。原作東野圭吾による、近い将来必ず社会問題になるであろう事象をドラマに取り入れた着想は素晴らしい。

ホラーに見えるくらい右に左にスイングさせまくっていてどう着地させるかとハラハラ観ていたけど、最後はお行儀良くうまくまとめたなと。

ただあとからフォローを入れ、脳死患者やロボット技術開発者など実際の関係者各方面に失礼のないように角を立てずにギリギリにやったとしても、このネタでドラマ映画をやっている時点で、”感動ポルノ”だよ。狙いすぎ。脳死を受け入れられずにおかしくなってしまった親やそれによってバラバラになる家族など、ちゃんリサーチをして「リアル」なんだろうけど、実際にそういう人がいるキツめの描写を、釣瓶打ちのように入れまくるのはどうなんだろうな。