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人魚の眠る家のMaUのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.6
母ならこうなる、と思いながら、終始篠原涼子演じる母のあり方に気持ちを投じながら鑑賞。極端かもしれないけれど、母ならこうなる。まだ温かい、心臓の動いている子供をあきらめたりできるわけがなく… それに対して西島秀俊演じる父にはやはりどこか他人事のような遠さを感じ、後半彼から出た「俺が始めた」という台詞を真ん中辺りからずっと彼に突きつけてやりたい気持ちだった。折り合いをつけ、納得し、前に進むために、夫は本当の意味で妻に寄り添ってくれたのか。夫にそれを見出だせないからこそ若い研究者に傾倒していく。「脳死」という重いテーマを扱っているが、実はそんな壮大な話なのではなく、母親のワンオペ育児がもたらす孤独という問題の究極形、という角度で見てしまう作品なのではないかと思わされた。篠原涼子にはリアルな母を感じた。坂口健太郎君はこういう役が合っている。西島秀俊さんもまた、こういうの、似合うな。堤幸彦作品にしては大変社会派な作品だった。

19.9.20
WOWOWにて録画、再見。劇場であまり意識してなかったけど、主治医が哲さんだ… 冒頭とラスト、大事なところにいてくれた。さらには募金のくだりで大倉孝二君。彼も大好きだから触れておく…
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