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人魚の眠る家の猫のレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.0
とても見応えのある映画でした。
配役もいい。
ラストの少年のシーンがなければ今年の邦画のベスト3にいれたいかも?と思ってました。
あのラストでちょっとひきました……残念。
あのラストの
言いたいことはわかるけれど
キャンペーン映画に成り下がっちゃったように
感じてしまったので……。

でも大方はかなり良かったです。
問題定義あり、共感するとこあり。
もちろん落涙(久々の大泣き)も。

実は鑑賞前は
たかをくくってました。
それは観ない、聞かないようにしていても
得てしてしまった予告から
思った感情。
「お母さん、ありがとう」なんて!
……でも違ってたんですよねー
あの台詞が使われたシーンは。
登場人物の
誰もの気持ちがわかる。
母が子どもを愛する心。
新しい技術で何とかしてあげたいと思う心。

「死」とは何なのか?を
考えざるを得ませんでした。

母が急逝したとき
私が感じたのは
「死」の過程は残った人の為のもの、と
いうことでした。
たぶん、この気持ちは変わりません。

脳が働かなくなった時が死なのか?心臓停止か死なのか?
その場面になって初めて
考えうる事なのではないかと、しか言えないように思いました。

観客に
色々なテーマを問いかけた秀作だと思います。
観賞後に初めて堤監督作品だと知り、納得しました。
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