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人魚の眠る家のJのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.6
・物語★★★★★
・配役★★★★★
・演出★★★★★
・映像★★★★
・音楽★★★★

「脳死」と「心臓死」
ー何をもって人の死と定義するのか

「延命治療を続ける家族」と「ドナーが現れるのを待ち続ける家族」
ー相反するかのような両者の葛藤に答えはあるのか

「最先端テクノロジー」と「医療倫理」
ーそれは、愛に基づく治療なのか、それとも単なるエゴに過ぎないのか


決して結論を導くのが容易でないこれらの問題に対して、一切逃げることなく真摯に向き合い、賛否両論を恐れることなく一定の解釈を示した秀作です。


・脳死患者を介護する家族の精神的な衰弱を、「狂気」としてあたかもホラー映画的な手法をもって脚色している点
・最先端技術を用いた延命治療を「まやかし」と位置づけた点
など、ある意味では問題作との評価を免れないかも知れません。

けれども、本作の登場人物と同様、幾重にも葛藤を重ねて生み出されたのであろう本作には、人間ドラマとしての尊さと、社会的に大きな意義を感じます。

是非、多くの方に観て欲しい作品です。
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