人魚の眠る家の作品情報・感想・評価 - 121ページ目

「人魚の眠る家」に投稿された感想・評価

当事者しか分からない苦悩の話。みんな辛いんだよ、生きることも…
とかく、何に関してもいえるのかもしれないが、ある状態と別の状態の境界を決めるのは非常に難しい
ましてや、生きているのか死んでいるのかの境界はという意味を考えるのは難しい
判定をするための基準は2つあり、生物学的に生きていることの意味と、同じ人格が保たれているということの二つのうち後者が今の判断基準となっている。
もちろん、こんな状態で生きていることに意味があるのだろうかと思う状態というのもあるだろう。それでも医学ができることはあるという話は高谷清先生の『重い障害を生きるということ』に書かれている。障害を持ってつらいし、もしかしたらコミュニケーションもとりづらいかもしれないが、それでもできるだけ「心地よく」生きるための手助けはできるという。また、そんな状態でも生き甲斐はあるのだと。
ここで死と生の狭間にいる人は子供だ。
子供は、自分自身とともに、その親にとってもとても大きな意味を持ち、その生き方は自分の決めること以上に親の考えに左右される。ここでも、生き方を決め、満たされているのは、子供というよりも、生きていて欲しいという大人の方なのかもしれないと、感じられるシーンがずいぶんあった。もちろん、見ている私個人も生きていて欲しいなと思ったし、奇跡が起こって欲しいと思った。でもこの系統の東野作品だと起きないかなとも…
悩んで悩んで、生かして生かして破局に近いところまで行き、お互いの立ち位置を確認し、さらに、その子も生かされていく。
ただその後、家族耶蘇の周辺のつながりが以前とは明らかに変わっていくところなどもこれが理想かなと思ったし、最後の決断も、命がつながっていくところの描き方も、これが最善と感じた。
自分がもしこういう目に状況に合ったら、というときのシュミレーションとして考えてみても素晴らしい作品に思えた。ただの映画なのかもしれないけれど、勉強になった。
命と当事者意識にまつわること、一人ひとりが真剣だからこそとても重かった
生死のボーダーを人間が決めること自体がすでに不自然なのかもしれない
観た人の性別や年齢、立場などで感じ方が違うのではないかと思いました。

人の死とは?脳死なのか心停止なのか、倫理観の問われる内容でしたが、臓器提供の問題ともあわさって、色々考えさせられました。

感動したけど最後の方で少し引いてしまった自分がいました。

篠原涼子さんの母も狂気じみたところも怖かったのですが、1番は坂口健太郎さんの研究にのめり込んで自分のしてることに何もおかしいと思ってない所の方が怖かったです。
Yoshi

Yoshiの感想・評価

2.0
「泣ける」って言ってたわりに全く泣けなず不完全燃焼的なモヤモヤが残った。
その理由を自分なりに考えると、弟の立場で観ていたのに気づいた。
幼少期に同じ経験があり母親との記憶といえば僅かしかなく寂しかったのを思い出した。
恐らく多くの人は母親の立場で、娘の死に向き合う姿に涙するんだろう。それも理解できるが、なぜか今作に関しては共感できる点が少なかった気がする。
と言いながら、なぜか制作側の意図に乗れなくてゴメンという気持ちになる。
Rie

Rieの感想・評価

4.0
原作未読で東野圭吾作品の映画を初めて映画館で見ました。
一言で言うと、今後の人生を見直す機会になり、この作品に出会えて良かった!
登場人物全員に感情移入してしまい、気づいたら何度も涙していました。
それぞれの人物視点の描き方が素晴らしかったと思います。
篠原涼子さん、西島秀俊さん含め、とにかく全員泣きの演技が上手すぎます。

脳死という難しい問題を扱いここまで感動的な演出に持っていけることに驚きを隠しきれません。
機械で動かされて生かされている娘の演出は特に人間のエゴの恐怖を覚えました。

映画を見終わったあと、家族と生と死について話し合いをしました。
自分や家族が脳死になってしまったら...と改めて今後の人生を見つめ直すきっかけになりました。
生きるとは、家族の愛とは、本人の意志とは何か...感情がとても揺さぶられました。
老若男女問わず、見ていただきたい作品です。
東野圭吾氏デビュー30周年記念に発表したヒューマンミステリー。
その映画化ということで期待しながら待っていた作品。

播磨家に起きた悲しい事故。
回復する見込みのない愛する我が子。
…娘の死を受け入れるのか?
…なんとしても娘を生かすのか?
究極の選択を迫られた両親の壮絶な苦悩が描かれていました。

本作はなんと言っても、篠原涼子さんの演技に拍手です。
我が子の〝生〟への執着。
命を守るためならどんなことでもやるという狂気をはらむ熱演。
…母親・薫子から一瞬たりとも目が離せなかった120分間でした。

会社経営の父親・西島秀俊さんをはじめ、周りを取り巻く人々。
それぞれの立場や考え、言動が観ている側へ揺さぶりをかけてきます。

研究員役の坂口健太郎さんや婚約者の川栄李奈さん。
祖母役の松坂慶子さんと妹役の山口紗弥加さん。
そして、なんと言っても子役たちの名演技!
実力派俳優陣のキャスト力と演技力はとても高かった。

奇跡を信じた両親。
必死に取り組んだ最先端技術の延命が、
やがて家族や周りへの歪みとなっていく。
観ている自分も母親・薫子とともに惑い、悲しみ、苦しみ…
それでも〝生〟きていて欲しいという願いが胸に刺さるようでした。

先代社長(泯さん)の言葉通り、人間はエゴな生き物なのかもしれません。
勝手な欲望で科学技術を発展させ、人が踏み込んでいい領域を超えてしまう。
それは果たして愛なのか、エゴなのか。
薫子の立場なら自分も踏み越えてしまったかもしれない。

〝死〟とは何なのでしょうか?
脳死判定が出たことか。
心臓が停止したことか。
…いくら考えても出ない答えを探すような、
混沌とした重く難しい課題を最後の最後まで突きつけられます。

そして両親が出した答え。
伏線回収からの涙と一緒に〝希望〟という言葉が溢れ出したラストシーン。
絢香さんが歌う〝あいことば〟が流れるエンドロールも傑作です。

愛とは何か?
生きるとは何か?
心に揺さぶりをかけられる映画でした。
ズンピ

ズンピの感想・評価

3.5
色々な考えや感情が混ざりながら見ていたように思います。
物語を一気に展開させて収束までもっていくあたりは東野圭吾作品らしいなと思いましたし、見応えがありました。
それほど重く感じずに見られたのも個人的には良かったです。
ぴ

ぴの感想・評価

4.2
原作未読であらすじも軽く読んだだけでの視聴でした。
こんな感情になったのは今までほとんどないと思うくらい、苦しくてたまりませんでした。その苦しさの中で来た山場のシーンで涙が流れてしまいました。特に子どもたちには胸を締め付けられました。苦しさの逃げ場がない状態がずっと続いていましたがエンドロールが流れる頃にはその嫌な気持ちがスーッとどこかに行ってしまいました。物語で所々点で止まっていた部分もだんだんと線が引かれていき、この物語はここからまた始まるのだなと感じました。これからみんなもっともっと幸せになって欲しい、そう思いながら最後エンドロールを見ていました。
夢生

夢生の感想・評価

5.0
生命倫理を問われたようで、衝撃的な作品でした。
悲しくて泣いたののではなく、やり切れなさで涙が出ました。
観る人の置かれた立場、性別、年齢によって考え方はそれぞれだと思うけれど、『脳死=人の死』という医療サイドの言い分と、『生きている』と真っ向から反論する親サイドは緊迫感が張り詰めて重苦しい前半でした。

あやつり人形のように機械から送られて電子信号のままに動く『生きる屍』となった娘を、まるで生きているかの様に接する母は、盲信的に”生”に執着して狂気と化してしまうけれど、母親ならば誰しも薫子の思いに納得してしまうと思います。
ラストに少々のファンタジーと、未来への希望を残してくれたところに救われました。

そして、篠原涼子さんの”狂気的な母性”が凄まじかったです。
般若の形相に息を呑みました。