イチロヲ

愛人妻 あぶない情事のイチロヲのレビュー・感想・評価

愛人妻 あぶない情事(1988年製作の映画)
3.5
刺激的な性生活を欲している3人組の娘(浅間るい&堀川麻里&瀧口裕美)が、独自のルールに則り、愛人同盟を結成する。プロ愛人の切磋琢磨を軽妙なタッチで描いている、日活ロマンポルノ。獅子プロダクション製作。

「情熱的なセックスの秘訣は、相手のことを知りすぎないことにある」の法則を密かに暗示させながら、愛人生活のトランス状態をスケッチしている作品。主人公の娘たちが、三者三様の考え方をもっており、それぞれが異なるタイプの男を選んでいく。

愛人生活を虚構の世界だと割り切っている娘と、割り切れずに相手の実生活にまで接近してしまう娘の、不可逆的な体験が繰り広げられる。虚構への逃避に腐心している妻帯者の紳士役を、下元史郎が熱演しているところも必見。

表面上では若年による盲目的な暴走だが、その根底には「心的つながりを求める」という、絶対普遍の人間心理が内在している。充足した性生活の追求と人生の意味について、色々と考えさせられる作品。
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