MasaichiYaguchi

ドラゴンボール超 ブロリーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.3
先日「(大迫)半端ないって」が流行語大賞候補30語に選出されたが、鳥山明さん原作の大人気アニメ「ドラゴンボール」シリーズの劇場版20作目で、悟空、ベジータ、そしてブロリーという3人のサイヤ人の激闘を描いたこの記念作品こそ「半端ないって」という思いを抱かせる。
タイトルから分かるように過去の作品、「ドラゴンボールZ 燃えつきろ‼︎熱戦・烈戦・超激戦」「ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない」にも登場したブロリーがメインキャラクターになっているのだが、本作ではブロリーを軸にして悟空、ベジータという同じ戦闘民族サイヤ人を浮き彫りにすると共に、彼らと夫々の父親との関係が作品に大きな影を落としている。
そこには親子の愛情だけでは済まされないものがあり、「親の因果が子に報う」ではないが、それが3人を巡り合わせて戦わせているような気がする。
そして3人の運命を交差させ、戦いの切っ掛けを作っているのが〝悪の権化〟フリーザ。
本作でも、この悪のキーマンは〝憎めなさ〟を発揮して我々を魅了する。
このように父と息子という「隠れテーマ」を背景にしながら、映画の大半を占める、正に〝熱戦・烈戦・超激戦〟が、目が追いつけないスピードと目眩を起こしそうな七色の光の氾濫の中で繰り広げられる。
この激闘はシリーズ屈指で圧巻の一言に尽きる。
20作目という大きな節目を迎えた本シリーズが、更なる〝進化と発展〟を遂げることをファンの1人として願います。