地球に降り立った伝説の超サイヤ人ブロリーとの死闘を描く作品。
本作の構成は前半と後半と大別されている。前半はフリーザの登場から惑星ベジータの崩壊までの物語であり、悟空・ベジータ・ブロリーそれぞれの幼少時代を丁寧に描いている。
バーダックやラディッツ、ナッパなどの登場は往年のドラゴンボールファンにはたまらないサービス。また、特筆すべきは悟空の母親が全作品において初めて登場するシーンであろう。「サイヤ人は気の強い女性を好む」という傾向もあるようだが、悟空の母親はそこまででもないようだった。
後半は一気にバトルシーンへと変貌するのだが、それがもはや圧巻。キャラクターの動きが凄まじい速さであり、目で追うことが精一杯。また、キャラクターの戦闘力がカンストしたことにより、異次元空間で戦い続ける…なんて設定はヤバすぎる。自分の頭の中にあるドラゴンボールの戦闘シーンをはるかに超える迫力だった。
また、ブロリーの強さには前回、前々回の作品には無い緊張感を持たせる。ブロリーは戦闘をしながら急速に学習・進化しており、通常の超サイヤ人⇨超サイヤ人ゴッドと変身してもすぐに戦闘力が追いつかれてしまう。死闘の末に、悟空の胴着があそこまでボロボロになったのはいつ頃だろうか…。
また、緊張感が高まったもう一つの理由としては、チートキャラである破壊神ビルスが戦闘現場にいなかったことも大きいかもしれない。復活のFではフリーザよりもはるかに強い彼の存在により、白ける部分やなんとかなるという安心感があった。
劇場版ドラゴンボール作品は全て観ているが、今回はトップクラスの満足感を得た。残念なところを強いて言えば、後半で戦闘以外の作画がかなりラフなタッチで描かれているところがあり、その辺はヒヤヒヤした。
