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月夜釜合戦のminceのレビュー・感想・評価

月夜釜合戦(2018年製作の映画)
3.8
釜ヶ崎ヤクザ本家から盃事の神器が盗まれる。跡目を巡りその”釜”を探すヤクザのため需要が高騰。降って湧いた釜バブルに街中が翻弄される「月夜釜合戦」九条。風に翻る薄いロングスカートは色情めす市場への憧れ。フィルムから滲み出る笑いを今や歩き疲れても立ち止まれる場所すらない日本中の街へ。20180511 場所柄などからパヨった作品なら嫌だなと伸ばし伸ばしにしていたが割引手ぬぐい使いたくって大阪最終日に観劇。過去飛田界隈を舞台にした名作と呼ばれる映画のような悲壮感がまったくなく最後まで楽しんで観られた。ラストのセリフはグッと来たりニヤッとできたり。行き詰まった人々が最後に流れ着く場所としての街の抱擁感や三角公園の存在感が強く描かれないのに不思議と初めて共感できた。西成区の安全と美化を目指す新世代と人生で立ち止まれる場所としての存在の共存は難しいだろう。そこにいる人々は街の住人でありながら生きていければ場所に執着しない流れ者よそ者でもあるから。正直主役男優の大阪弁は所々しっくりこない。地元ではない感じ。
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