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月夜釜合戦のobatのレビュー・感想・評価

月夜釜合戦(2018年製作の映画)
4.7
上映前ロビーにあふれる観客に、映画に出てきそうな雰囲気の人が何人もいるのが不思議で、既に映画の中に私もいるような気持ちになっていた。(どうやら、実際に出演されていた方らしい…)

作品はとっても良かった。沢山の笑ったのに根底にある悲しみが感じられて切なかった。それはこの街に対してなのか生きずらい時代に対してなのか…。
「なんで釜がランドセルになってんだよ」で爆笑しながら少しだけ涙がこぼれた。あれは少年にとって父親の(謎の)形見になっていたのかなと後から思った。
釜ケ崎の街はとっても魅力的で(ロケ地選びが優れているのか?)、自分が大阪を知らないことが悔やまれる。そしておそらく今はだいぶ変わってしまったのだろうということも。

何とか時間をつくってもう一回観に行きたい。今日も今頃は渋谷のユーロの中にだけ、昔の釜ケ崎が存在しているのだろうと思いを馳せる。


2回目 0322
墓地で踊るシーンとか唐突過ぎるのになぜこんなにも心地いいのか…。
少年も父親もいい。メイもいい。
地下を逃げるシーンはクストリッツァのアンダーグラウンドを思い出したりした。
きっとこの作品は何回みても発見があるのだろう。いつかまた、釜と一緒に来てくれるのを待ってるで。
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