オープニング、自転車を漕ぐメイからの炊き出しシーンは、ここ最近の邦画ではかなり上位にくるかと。
16㎜が醸し出すノスタルジーの中にアベノハルカスがそびえ立つという、なんとも不思議な世界。
ノリとしては動きもセリフも大仰な舞台演劇という印象だった。
川瀬陽太と渋川清彦に気を取られていると、実はこんな人が、ということにエンドクレジットまで気づけない。岡元あつことか、足立正生(ある意味本物)とか。
神父のコンテンポラリーダンスが最高。
デカルコ・マリイという身体表現者らしい。
ゴンスケ、声どうした?(って川瀬陽太も聞いてるのに答えなし)
荒唐無稽な話はとりたてて面白くはないのだけど、「西成=年がら年中暴動が起きていた」という程度でしか釜ヶ崎を知らなかった人間としては、飛田新地とか今はほとんど消滅したという釜共とか、今さらながら興味をそそられる。
老朽化によってあいりん労働福祉センターが三月末で閉鎖されるという話も、ニュースにでもならない限り知ることはなかったし。
これから何かにつけて「釜」という文字に反応しそう。