月夜釜合戦の作品情報・感想・評価

月夜釜合戦2017年製作の映画)

製作国:

上映時間:115分

3.8

あらすじ

さぁさぁさぁさぁ御用、御用、遠き者は音に聞け、近き者は鼻で嗅げ。寄ってらっしゃい観てらっしゃい!ただただ難儀なこのご時世に、観ては益ナシ損もナシ! ふらりと立ち寄るもまた一興! 手前取り出したるは大阪生まれの人情喜劇、『月夜釜合戦』!『Kamagasaki-War of the Great Caldrons』! 舞台はアベノハルカス、坂を下りて、行きつく先は釜ヶ崎。 飛田遊郭しきる、釜足組の…

さぁさぁさぁさぁ御用、御用、遠き者は音に聞け、近き者は鼻で嗅げ。寄ってらっしゃい観てらっしゃい!ただただ難儀なこのご時世に、観ては益ナシ損もナシ! ふらりと立ち寄るもまた一興! 手前取り出したるは大阪生まれの人情喜劇、『月夜釜合戦』!『Kamagasaki-War of the Great Caldrons』! 舞台はアベノハルカス、坂を下りて、行きつく先は釜ヶ崎。 飛田遊郭しきる、釜足組の大事な大事な代紋彫られたお釜の盃、流浪の芸人逸見にこっそり盗まれた。チンピラたちは大わらわ! 数撃ちゃ当たると手当たり次第、あっちでワラワラ探し歩き、こっちでボンボン買い漁る。それを観ていた、源次郎! 町一番の情報屋。釜が売れるー! 日雇いたちは仕事ほっぽり釜ドロボー。儲け話や!としたり顔は大釜狙い泥棒大洞、相棒カズ。一攫千金、大根一本わらしべ長者。傍で見ていた私娼メイと孤児貫太郎はあきれ顔。 帰ってきた二代目タマオ、昔の因縁キンタマ疼く。炊き出しの大釜守る活動家ゴンスケ、大洞かついで革命か? ダークホースは、まっちゃんやまちゃん。昨日のガラクタ、今日はお宝、釜ヶ崎は大沸騰! これって資本主義? そうやで! ヤクザ、泥棒、私娼、尻目に、釜を狙う後ろの正面だーれ? さぁさぁしれでは御開帳!開発迫る釜ヶ崎で釜を巡るカマの掛け合い、はじまり~。はじまり~。

「月夜釜合戦」に投稿された感想・評価

フィクションのなかにあるリアル。悲劇と喜劇の境目にある笑いと怒り。想像するに近寄りがたくてこわいイメージが少しだけやわらいだ。
川瀬陽太さんとKEEさんのスター共演in釜ヶ崎。KEEさんはあんまり関西弁じゃないのだけれど、地元感抜群。知ってる所や覗きたくても はばかれる所が垣間見えるのも楽しいし、根底に流れる怒りは十二分に伝わって来る。
mince

minceの感想・評価

3.8
釜ヶ崎ヤクザ本家から盃事の神器が盗まれる。跡目を巡りその”釜”を探すヤクザのため需要が高騰。降って湧いた釜バブルに街中が翻弄される「月夜釜合戦」九条。風に翻る薄いロングスカートは色情めす市場への憧れ。フィルムから滲み出る笑いを今や歩き疲れても立ち止まれる場所すらない日本中の街へ。20180511 場所柄などからパヨった作品なら嫌だなと伸ばし伸ばしにしていたが割引手ぬぐい使いたくって大阪最終日に観劇。過去飛田界隈を舞台にした名作と呼ばれる映画のような悲壮感がまったくなく最後まで楽しんで観られた。ラストのセリフはグッと来たりニヤッとできたり。行き詰まった人々が最後に流れ着く場所としての街の抱擁感や三角公園の存在感が強く描かれないのに不思議と初めて共感できた。西成区の安全と美化を目指す新世代と人生で立ち止まれる場所としての存在の共存は難しいだろう。そこにいる人々は街の住人でありながら生きていければ場所に執着しない流れ者よそ者でもあるから。正直主役男優の大阪弁は所々しっくりこない。地元ではない感じ。
2018-19(7)
西成、釜ヶ崎。その街の人々をリアリティをもって描きつつ、彼らの思いを炙り出している。
再開発にゆれ、変わってゆく街を捉えた記録映画のような雰囲気も。16mmフィルムという選択肢も、この映画に込められた思いを強くしているように思えます。
ノスタルジックな下町の風景が映るかと思えば、その背景にそびえ立つあべのハルカスが印象的。

時々笑ってしまう喜劇テイストなので、結構楽しいです。
Chika

Chikaの感想・評価

4.8
もうすぐ閉館のみなみ会館で鑑賞。物語は決してフィクションではない。16ミリフィルムの古風な映像は、鮮やかに釜ヶ崎を映し出しているようだった。
釜ヶ崎の色々な問題を感じさせつつも説教くさくなく、単純にパワフルで面白い😁
nenetto

nenettoの感想・評価

4.3
これ、本当に面白かった。
面白かった〜!っていう言葉しか最初思い浮かばなかった。

それはそれは凄いエネルギーを注がれて産みの苦しみもあったであろう事がよくわかる作りだった。
そもそも関西人の中でも近寄りがたい釜ヶ崎を舞台にしている。そしてそこに根付く人々の息吹と、懐かしい風景、その切り取り方に愛を感じてしまった。

再開発だのなんだのとどこもかしこもよく似たピカピカの街になっていく現代の問題を取り上げつつ、だーれもスマホをいじる場面などなく、あくまでも寓話としてユーモアを交えてるのが良い。

リアルな世の中では「悪」と思われる者達にも人情をかけてる気がする。
てバイタリティ溢れる釜ヶ崎のおっちゃん達を見ながら、変わりゆく世の中、遺したいものについて大いに考える。激せず闘う強くて優しい作品。
平成の釜ヶ崎を16mmフィルムで撮るって、その時点でよい。

ところどころにあるシュールな笑いどころがよい。カンパのくだりはリズム感もとてもよかった。
地下に隠れるシーン、あそこだけすごくファンタジーだった。好き。
登場人物が多くてストーリーが散らかっているように感じたけれど、たくさん人が出ることに意味がある映画ではある。
馮美梅

馮美梅の感想・評価

3.5
私の中の京都みなみ会館で見た映画作品の中で1番すごい人数だった。
気にしてなかったけど、この日も監督はじめ、出演者の方達の舞台挨拶が上映前と後にありました。

子供の頃、天下茶屋の叔母の家に行く時、必ず言われていたのは「新世界周辺は危ないからくれぐれも気をつけてあるかなあかん」と。

そんな、大阪人ならビビるような場所、釜ヶ崎を舞台に、ひょんな事でヤクザとそこに生きる人たちが一つの釜を巡って大騒動になって行く物語。

不安定な根無し草のような暮らしをしている芸人逸見が、ヤクザの組釜足組の盃の釜を盗んでしまった。しかし、逸見は火事で死んでしまい残された息子の貫太郎はそこ釜をランドセルのように担いでもち歩き、そこに住む娼婦のメイとスリの源次郎。

しかし、釜ヶ崎の再開発のため、炊き出しの中心地でもある三角公園を奪取するために、デペロッパー、市、警察がグルになり、釜足組を使って炊き出しの大釜を占拠。それを奪取するために、いろんな人たちがてんやわんやし、なぜか源次郎も巻き込まれて行く。

もう、出てくるそれぞれのキャラクターが強烈で個性的。役者さんなんか、現地の人たちなのかわからん(笑)関西人ではない、渋川清彦さんや川瀬陽太さんの大阪弁もまったく違和感なく、川瀬さんの源次郎はどうしょうもないけど憎めない魅力が全開でした。

特にまっちゃんやまちゃんが登場するシーンは、まるで別世界のような、あほらしいけどほのぼのさせてくれて大阪人にとってはドツボにはまるシーン満載でしたが、他の県の人たちはどう感じるのかな?

今もどんどん変わって行ってる町、釜ヶ崎とその周辺を、16mmフィルムであえて撮影したこの作品。これから消えて行く風景を匂いとともに作品の中に閉じ込めた作品でもあります。