凄まじい熱量に圧倒される。
1987年1月、ソウル大生拷問死事件の発生から、その全貌が暴露され、軍事政権が民主化宣言するまでの半年間の“革命”を描く群像劇。
事件を隠蔽し、民主化運動を抑え込もうとする軍事政権に、老若男女の名も無き英雄たちが立ち向かう。
報道されてたイメージとしては政府vs学生という印象が強いが、役所も一枚岩じゃなくて、遺体を解剖して隠蔽を阻止するのは軍人支配に反感を募らせる検事、決定的情報をリークするのは密かに民主化運動に加担してる刑務官だったり正に反軍事政権オールインの闘争。
当時の韓国の民主化運動は日本でもかなりの密度で報道されていて、大学生だった私は同世代の闘いに凄くシンパシーを感じていたので、これは色々思い出したな。
スニーカーがとりもつ、二人の大学生の切ない恋も良いアクセントになっていた。
確実なのは、あらゆる変化のきっかけを作るのは覚悟を決めた過激派。
ハ・ジョンウの検事が暴走しなかったら、歴史が変わっていたかもしれない。
そして、どんな強固な権力も、傲慢さが人心の離反を招いて瓦解するのは同じ。
日本の政治家が今一番観るべき映画だろう。
民衆て恐ろしいんだぜ。
