スクリーン2
小さな映画館が完全満席。
韓国は民主化に自ら民族の血を流してきただけに熱気あふれる力作となっている。
1987年韓国。
取り調べ中の大学生を拷問死させた事実を揉み消そうと警察は急ぎ遺体を火葬にしようとする。
その書類に疑問を抱きあくまで死因を明らかにするため、正当な手続きを主張する検察官。
揉み消せないとなると一部の部下に責任を押し付け、身の安泰を計ろうとする体制幹部。
暴力を全面に出しあらゆる圧力をかける権力。
やってることがまるで暴力団。国家そのものがそれだから怖い。
圧倒的権力に対して、検察官、新聞記者、刑務官、そして一般市民、大学生、運動家がどう迷いどう行動したのか。
それぞれの人たちのエピソードが繋がるように描写される。
権力が暴走する時、そこに置かれた人たちは何をすべきなのか?どう対抗すべきなのか?観ていて自らに問われているような気がした。
検察の役割の重要性を改めて感じる。ハ・ジョンウが演じたチェ検事が正しい手続きを行うよう求めなければ事実も闇に葬られたということだ。
悪役を一手に引き受け、ほぼ全編に渡って出演している警察パク所長役キム・ユンソク。いかにも悪の権化といった風貌に変わっていて驚いた。
他にソル・ギョングなど豪華な出演者の熱演にこの作品の本気度が伝わってくる。