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1987、ある闘いの真実のkazu1961のレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.4
▪️Title :「1987、ある闘いの真実」
Original Title :「1987: When the Day Comes」
▪️Release Date:2018/09/08
▪️Production Country:韓国
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-311
▪️My Review
本格的な社会派歴史作品です。しっかり事実に基づきながら作り上げた骨太な作品は見応えがあります。
1987年。日本がバブル景気に浮かれていた時期。隣の韓国は激動の転換点を迎えていました。韓国では1979年から民主化ムードの高まりが起こり、一方で政権は軍事色をどんどん強め、政府に反対する民衆を武力で押さえつけていました。その軍事政権と民主化を求める国民の対立が頂点を極め、決定的な事件が勃発し、ついに民主化を勝ち取ったのが「1987年」なのです。
本作はまさに1987年の韓国を舞台に、民主化を勝ち取ることにつながる“決定的な事件”をサスペンスフルに描いた骨太の歴史ドラマです。
実は、韓国で朴槿恵(パク・クネ)政権がもう少し続いていたら、本作は完成にも難儀し、製作陣が身をひそめるはめにもなったかもしれないと言われています。自由を求めて反旗を翻した学生や市民らが、文字通り命を賭して民主化運動へ突き進んだ実話をもとに、実在の人物を多くまじえて描いています。保守政権下、長らくタブー視されたテーマに極秘裏に取り組んだチャン監督の気概に脱帽です!!
そうこの時代、ソン・ガンホ主演でヒットした『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)を見た方は特にピンとくることだと思います。
見どころのひとつは「普通に政治サスペンスとして最高に面白い」ということ。このでの作品は観る人に事前知識を要求せざるを得ない面も多々ありますが、本作は全然気にしなくてOK。想像以上に話の本筋はシンプルで、ジャンル的なクライムサスペンスとして楽しめます。
そして、ふたつ目は「贅沢なキャストと時代の再現性」です。本作はとにかくキャスト陣が豪華で、韓国映画界のオールスター状態。“キム・ユンソク”、“ハ・ジョンウ”、“ユ・ヘジン”、“カン・ドンウォン”と、男性陣は怖い顔、渋い顔、クセのある顔、イケメンと、だいたい網羅していますし、紅一点的な登場となる女性には『お嬢さん』で鮮烈なインパクトを残した“キム・テリ”が抜擢されています。
ラストに向かっては胸がいっぱいになります。エンドロールではもう号泣。。。
観た後も胸にぐっとくるそんな作品です。
作品は韓国の「百想芸術大賞」で大賞、脚本賞、主演・助演男優賞の4冠に輝いんたんですね。

▪️Overview
「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン監督が、韓国民主化闘争の実話を描いた社会派ドラマ。1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ、拷問致死だったことが判明。さらに、政府が取り調べ担当刑事2人の逮捕だけで事件を終わらせようとしていることに気づいた新聞記者や刑務所看守らは、真実を公表するべく奔走する。また、殺された大学生の仲間たちも立ち上がり、事態は韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく。パク所長を「チェイサー」のキム・ユンソク、チェ検事を「お嬢さん」のハ・ジョンウ、学生デモに立ち上がる大学生を「華麗なるリベンジ」のカン・ドンウォンと豪華キャストが共演した。(映画.com参照)
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