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1987、ある闘いの真実のPennyのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
3.8
ぼくらの選択が世界を変える。

80年代の韓国民主化運動は軍部政権の打倒を主な目標としていた。「タクシー運転手 約束は海を越えて」でも描かれた光州民主抗争は1980年代における爆発的な民主化運動の展開に影響。光州の記憶は運動に積極的に参加しなかった”普通”の人たちにも強い影響を及ぼしている。この点で、70年代から80年代にかけての民主化運動の絶頂をなした1987年の6月抗争は、光州の全国化にほかならないのかもしれない。

日本が空前の好景気”バブル“の幕開けに浮かれていた1987年、対岸で繰り広げられていた、紛れも無い、凄まじい真実。
強硬な独裁政権を行っていた大統領 全斗煥の軍事政権下が続く中、徹底的に”アカ”を排除したい南営洞警察のパク所長が指揮する取り調べは、日に日に激化。そんな中、ソウル大学の学生が取り調べ中に死亡する事故が発生してしまう。
「事件を隠す警察」「不正と闘う検察」「真実を暴く看守」「真実を追う記者」「正義を貫く学生」…それぞれの思惑や信念を胸に、人は闘う。

正義とは何か。

誰が悪で誰が善か、悪が何を隠蔽し善が何を公にするのか。
投じるものは小石でも、集まればそれはいつか橋となる。

これは、ただのきっかけに過ぎなかったのかもしれないが、一人の大学生の死から始まった、韓国全土を巻き込む民主化闘争を描く衝撃の実話。
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