“父さんはかける言葉がないよ”
1987年に韓国で起こった民主化闘争。
光州事件を題材にしたソン・ガンホ主演の「タクシー運転手」のその後を描いているので、合わせて見るほうが◎。
国家権力が嘘と隠蔽で国民を騙し続けた負の歴史を、よくここまで描いた作品を作れたなと思う。
心ある人たちがリレーのように繋いでいくひとつの希望。
幾つにも重ねられた人間ドラマ。
それぞれが貫いた小さな正義に立ち上がる国民たち。
熱く、熱く、半端ない熱量が伝わってきた。
デモ中に催眠弾の直撃によって死亡した学生活動家のイ・ハニョル。
当時着ていた服や靴、あの新聞の写真まで忠実に描いたのにはびっくりした。
「レ・ミゼラブル」を彷彿とさせるラストから、当時の映像や写真が流れるエンドロールにかけては、涙が止まらなかった。
73本目 / 2020