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1987、ある闘いの真実のsahoのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.8
“父さんはかける言葉がないよ”

1987年に韓国で起こった民主化闘争。
光州事件を題材にしたソン・ガンホ主演の「タクシー運転手」のその後を描いているので、合わせて見るほうが◎。

国家権力が嘘と隠蔽で国民を騙し続けた負の歴史を、よくここまで描いた作品を作れたなと思う。
心ある人たちがリレーのように繋いでいくひとつの希望。
幾つにも重ねられた人間ドラマ。
それぞれが貫いた小さな正義に立ち上がる国民たち。
熱く、熱く、半端ない熱量が伝わってきた。

デモ中に催眠弾の直撃によって死亡した学生活動家のイ・ハニョル。
当時着ていた服や靴、あの新聞の写真まで忠実に描いたのにはびっくりした。
「レ・ミゼラブル」を彷彿とさせるラストから、当時の映像や写真が流れるエンドロールにかけては、涙が止まらなかった。

73本目 / 2020
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