紅蓮亭血飛沫

プールの紅蓮亭血飛沫のネタバレレビュー・内容・結末

プール(2016年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

SAWシリーズでジグソウを演じたトビン・ベルが、物語の引き金を引いた一人として機能していたのが本作の一番の楽しめる要素だったかもしれません。

プールに閉じ込められる、という設定は中々に興味深く、そのような閉鎖環境で物語が展開されるとなると脚本が命。
閉じ込められた二人を軸に、これまで胸に隠していた相手に対する不満をぶつけあったりするのですが、個人的にはこういうドロドロした関係が浮き彫りになっていく構成は好きです。
このまま脱出できなかったら死んでしまう、ともなればその環境から生じるストレスや鬱憤が湧き上がってくるし、心残りがないよう今まで溜め込んでいたあれこれをぶつけようとするでしょうから、こういうのは結構好みですね。

途中からプールの見張り員として出てくるもう一人の女性が出てくるのですが、この女性が中々にめんどくさい。
自分がこんな目に遭ったり、あなたたちがそんな絶望的な事態に巻き込まれたのも理由が云々…と持論を展開してくるだけでなく、主人公達が所持していた鞄から物を盗んだりとかなりの小悪党っぷりを見せ、物語に拍車をかけてくれます。
最後まで緊張感をもって鑑賞できたので、この手の密室劇を舞台にした作品にしては頑張った方じゃないかなと。

敢えて言うなら、頑張れば底の蓋を取れるのなら二人が力を合わせてとっとと蓋を取ればよかったのに、とか、最後にガラスを割って脱出する際にも部分だけ割るのでなく、人一人脱出できるぐらい大きく穴を拡張すればいいのに…といった現実的な部分の理屈が事足りてないのが気になりますね。

P.S.
このジャケット、テロップからして“海底47M”に似てますけど、水中が舞台だからですかね?