唯

ダリダ~あまい囁き~の唯のレビュー・感想・評価

ダリダ~あまい囁き~(2016年製作の映画)
3.3
煽情的で力強く、且つ甘さも併せ持つダリダの歌声を聴くと、何故だか力が湧く気がする。

真実の愛を探し求めて男性との恋を重ねるヨランダだが、いつまでも孤独は消えることが無く、虚しさが募るばかり。
どんな人物の生き様だって、人間の心理なんか結局は予想出来る範囲内にしか存在しなくて、原因と結果、動機と行動とは線で結べてしまう。
つまり、ぐしゃぐしゃに絡まった様な彼女の人生も、解きほぐせば一本の糸に繋がるということだ。
それを紐解くに連れ、仕事の幸せと女性の幸せ、スターとしての成功と人間としての輝きとは、それぞれ同居しないものだと思い知らされる。
孤独の対義語としての、愛。
「それでも人生は続くのよ」の台詞は、必死に前向きで、絶望的に後ろ向きな言葉の様に思えてならない。

開演前の袖での息遣いや男性とのベッドシーンを影で見せる演出が粋。
ウエストを絞った花柄のワンピース、私も着たい。
ダリダ役のスベバアルビティは笑うとジュリアロバーツに似ている。
ダリダを商品としたビジネスを家族一丸となって展開していることには笑えた。

クラシカルや懐メロには切実さが込められているから、好きなのよねえ。
唯