ヒロ

グッド・ハートのヒロのレビュー・感想・評価

グッド・ハート(2009年製作の映画)
4.5
野良猫飼ってるホームレス死にたいけど死ねないポール・ダノを、寿命は底をつく死は間近な口を開けば愚痴しか出てこないクセの塊頑固なバーの亭主ブライアン・コックスが生きるってしんどいけど素晴らしいんだよと婉曲的に背中で語るって設定だけで大号泣。某売れっ子監督の世間的には超駄作とされている、暗い過去を持つ吃りのポール・ジアマッティがレディを助ける映画ぐらい泣ける。社会の除け者、生き下手な闇の住人にスポットライト当てた人間賛歌。

「屁を固体化したら絶対ブロッコリーになる。だからブロッコリーを食って屁をするのは輪廻転生なんだ。」「バーは13人までだ。キリストもそうだ。」コミカルな言葉遊びのワードチョイスも半端じゃない。笑いのツボまで抑えてくれる。

タイトルの『グッド・ハート』は最後の最期のお楽しみ。

濱口竜介の『PASSION』、キアロスタミの『桜桃の味』、カウリスマキの『ラヴィ・ド・ボエーム』、ジャームッシュの『パターソン』と同じ棚に並べたい。

TNLF2018の大当たり。
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