tristana

愛のきずなのtristanaのレビュー・感想・評価

愛のきずな(1969年製作の映画)
5.0
昼は出前のうどんかけにデスクに常備した卵を割り入れ、堺左千夫の送別会に部下が500円出すと知れば当たり前の顔で700円出す筋金入りのケチ爺藤田まこと、雨に濡れる園まりを拾って首尾よく勤め先のとんかつ屋まで聞き出し、思わず口をついて出る「やってみるもんだな」。誠実なのか卑怯なのか、温泉マークの前で家庭があることを打ち明けるが本当に銭湯だったという要らない気もするオチ。しかし金は掛けたくないので妻原知佐子が無くしがちのオパールの指輪もプレゼントするが、実はもうすぐ出所してくる札付きの悪佐藤允が夫だと知り突然全力で逃げ出したくなるまこと、家族で出かけた日曜日の遊園地にも小さな佐藤允が点滅で現れる始末。気になりすぎる鼓動の演出と輪転機の夢、殺したはずの園まりは記憶喪失でかなりネジが外れた感じ、山茶花究の賄賂は寿司桶に詰め込んだ千枚漬け、ジュークボックスの音に飛び上がるなどなど。交通事故の男はじめこの後も盛り沢山で、最後の対決と気の利いたエンディングまで目が離せない。新聞に出ていた綾瀬の事件の見出しにピンと来るものがあり調べたらやはり悦ちゃん(小野悦男)の最初の事件の翌日の朝日新聞、こういう勘だけは失わないようにしたい。
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