どん底を味わった3人がラーメンを起点に人生を取り戻す物語。
私もラーメンが好きで自分で作ったりするけど、こんなに難しい料理はないといつも痛感しています。
生麺とスープの素に炒めたもやしや、出来合いだけど焼豚やメンマや刻みネギなどを乗せて作ってもお店で食べるラーメンにはほど遠い。
やはりラーメンはお店で食べるもの。
ラーメンスープは塩、醤油、味噌とあるけど、最も難しいのが塩ラーメン。
塩ラーメンを看板に掲げるお店の中で本当に美味しい塩ラーメンを出す所は少ないように感じています。
それはシンプルが故 “誤魔化しが効かない” からではないかな。
今作のラーメン店“清蘭”の塩はパキスタンの岩塩。
岩塩なら美味くなるという安直な事ではなくスープの取り方や麺とのコンビネーションも絡むから、味も匂いもしない映画でそれを表現するのは難しい。
それから、ラーメンの味の水準は昔よりも遥かに上がった事からも分かるように、ラーメンの修行は女子高生のアルバイト程度で成るものではないし、ラーメン道を極める方達からすると“舐めんなよ”という想いもあると思う。
そこを敢えて、店主と修行女子をスポ根ものに見立て挑戦したことには拍手を贈りたい。
それと葵わかなさんの演技良かった。
並行して語られるキルギスの遊牧民に助けられた赤星（片桐仁）のシーンは、本当にキルギスロケだったそうで、その山岳地帯が絶景で美しく、遊牧民達の生活振りや作るパンとか山羊の肉料理とかも興味深かった。
清蘭の平打ち麺の塩ラーメン
食べてみたいな。
監督 熊谷祐紀
キャスト
中村ゆりか
葵わかな
石橋蓮司
片桐仁
宅間孝行
森尾由美
水橋研二
片岡礼子
永岡祐
ふくまつみ
黒羽麻璃央
