ペンソー

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのペンソーのレビュー・感想・評価

4.4
名作"ボーダーライン"の続編となるシリーズ第2作。

前作で主演だったE・ブラントが抜けたことにより、第三者の視点で描かれていたJ・ブローリン、B・デルトロの行動がより主観的になった。
前作を観たときには気づかなかったけど、彼ら二人が主役だということ、あくまでE・ブラントは彼らの行動を明確にするための配役でしかなかったということに気がついた。
彼らが明確な主役となることで、麻薬戦争の描写はさらに激しさを増し、アクションも前作より格段に増えた。サブタイトルが"〜ソルジャーズデイ"なだけはある。

隣国メキシコに対して直接な軍事行動をアメリカが仕掛けるということは実際にはあり得ないと思うけど、麻薬カルテルとの戦いの中で使える手段は全て使う、軍事行動も辞さないという姿勢はアメリカ政府にとって現実的になりつつあるのか?
国境侵犯はもちろん、他国領内でその国の警察官を射殺したともなれば国際問題に発展するのは目に見えているし、そこまでして麻薬カルテルを潰そうというアメリカ政府の姿勢は麻薬問題についてかなり深刻であるということを前作に引き続き演出していたと思う。

監督が変わったので好きだった前作の雰囲気は損なわれてしまうかなと心配したけど、しっかり作品の雰囲気は引き継がれていた。
オープニングからラストまで、前作の雰囲気はそのままにアクションが激しさを増し、内容もエスカレートしている。
メキシコ警察や麻薬カルテルとの銃撃戦、白昼堂々と隣国領内でドンパチをかますブラックホーク、前作同様、淡々としていながらもカッコいいアクションシーンがさらに増えていた。

用済みになったらお払い箱というアメリカ政府お得意のパターンもあって、相変わらずアメリカという国は自己中心的で傲慢だなぁと感じた。

善悪のラインは相変わらず狂っていて、持てる力を全て使って麻薬カルテルを潰そうとするアメリカ政府とそれに対抗する麻薬カルテル、どちらも法律の外側にいる。

J・ブローリン、B・デルトロのカッコよさ、渋さは相変わらず抜群。カッコよくてたまらない。
E・ブラントがいないのは残念だったけど、それ以上に作品自体が面白かったので良かったです。

D・ヴィルヌーヴ監督が復活するかもしれない続編にも期待しています。
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