こうん

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのこうんのレビュー・感想・評価

4.6
僕のベニチオがデル・トロしました!(2回目)
んもう~、(嬉しいため息が)いっぱい出ちゃいましたね。

前作は好きなんだけど、完成度的な意味では「ちょっとな」くらいのテンションでした。
だもんで監督変わった続編にそれほど興味はなかったんですけど、最近映画館で予告編観て!
デル・トロがトリガーガードに指突っ込んでガチャガチャさせて連射するあのショットに、もう心が勃起したの!なにあの撃ち方!凶悪!
あの短い間に物凄い形相になるデル・トロ演じるアレハンドロさんのパッションも相まって、予告編の時点で五億点を叩き出したわけです。

で、本編でその5億点がどれだけ目減りするのだろうか…といったところでしたが、全然減らない!最高でしたね!
モラルの向こう側に行ってしまった男二人の物語でありつつ、「ローガン」的な道行もあり、「ゼロ・ダーク・サーティ」的なハードなミリタリー感あり、「悪の法則」のような一皮むけば邪悪な世界がぱっくり口を広げて気づいたら詰んでいる世界観が良し、「シティ・オブ・ゴッド」や「闇の列車、光の旅」みたいな少年少女の鮮烈さと哀しみがあり、「L.A.コンフィデンシャル」的な「まじかよ」展開もあるし、それよりもなによりも!
デル・トロ劇場なのです。
僕が観たのは新宿ピカデリーでしたけど、あそこはデル・トロ劇場だったのです。
なに言ってるかわからないけど、それくらいにべニチオ・デル・トロが最高でしたね。血の匂いのするデル・トロに抱かれたい。
次から次へとデル・トロ演じるアレハンドロの内面が描かれ、修羅の道を行く彼の心情を考えると、拘禁され暴れるアレハンドロのらしくなさに涙が出てきます。繰り返してしまう絶望へのあがき…!

褒めたいところだらけで、前作よりもぶっちぎりで好きだし、これ続きあるの?
早く観たーい!

トランプの幼稚で単細胞なマニフェストをあしらうかのような豪胆さが素敵でした。

落ち着いたらまた追記しようと思います。
こうん

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