けーはち

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのけーはちのレビュー・感想・評価

3.5
テロ容疑者を密入国させるメキシコ麻薬組織に業を煮やしたアメリカ政府は秘密裏にそのボスの娘を誘拐させるという、“汚い”作戦に出る──

前作『ボーダーライン』で新米捜査官エミリー・ブラントが担う、ルール無用・仁義なき麻薬戦争に面してヒェ~ッ😨と震えるような“普通”の視点人物はなし。登場人物全員、地獄の住民なクライム・アクション・スリラー。

代わりにヒロインポジでデル・トロおじさんと疑似親子逃避行状態になるのは、『トランスフォーマー/最後の騎士王』でも出てきたイザベラ・モナーが演じる、カルテルのボスの娘。気の強そうな美少女で中々イイ😊

前作からの緊張感はそのままに、「ボスの娘を誘拐し、カルテル同士の内戦を誘う」という汚い作戦のアイデアは面白い。しかし、その内戦状態に至る順序立てた説明がないせいで、「拐った後、次どうするの?」「何をどうしたら、作戦のこの段階は成功なの?」って目標感がなく、ボヤッとしたまま色々起きてしまう。軍事作戦モノは、目標感が共有されてないとただのドンパチだよね。あるいはその混沌と、次世代の殺し屋(Sicario)へと引き継がれる不毛な戦いこそが、麻薬戦争の本質なのかもしれないけど……。