カテリーナ

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのカテリーナのレビュー・感想・評価

4.0
大人の男の魅力に痺れる

全編を通して 流れる不穏な鈍色が重く垂れ込める そのまま 住人の心を映し出すかのような空の色
ルールの無い非情な場所に身を置いている
マットとアレハンドロの二人
白昼堂々の銃撃戦が繰り広げられ
かた時も緊張を緩める事を許してくれない
アレハンドロの家族を殺した仇の娘は制服姿のあどけない少女 助けを求められて 匿う家主とアレハンドロが心を通わす手話のシーン は今作でアレハンドロの人間性が垣間見れて唯一ホッとする
同時に彼の過去の悲しい出来事を露呈し
束の間 少女の心に優しさが灯る
厳しくも恐ろしい現実の波に翻弄され
心をズタズタにされた
少女の絶叫が 虚しく響く
最早 黒く大きな瞳には 輝く雲や空の色は
映らない

シカリオという言葉がラストシーンで
胸にズシリと錘を下ろす ここでも少年の
目に映るのは非情な世界だけ

前作同様に 荒れた道に転がる屍と同じ数の憎しみを産み 何も変わる事はなかった
カテリーナ

カテリーナ