bibliophage

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのbibliophageのレビュー・感想・評価

5.0
全編の不穏な展開と、容赦ないシーンの連続で、血圧が上がりっぱなしでした。怖いのです。ホラーとは違って、脅かされているわけでは無いのに展開が恐ろしい。そして、あの音楽。背筋が凍るってこういうことか、と思ってしまいました。映画館では、途中でスキップしたりポーズすることができません。凝視しているしか無いのです。これぞ、映画体験なのだと思います。

この映画、兎に角、正義が無いのです。一般人を巻き込んだテロから、ソマリアの海賊、イエメンからの密航、そしてメキシコへ。論旨も報復の相手も、その手段もおかしくないですか?その後の命令も。”クX”(褒めて…)と書きそうなのをぐっとこらえて。正義をどう定義するか…、ありきたりな回答ではこの映画の収拾が付かない気がします。

この映画をメジャーで撮れる、アメリカそしてメキシコの懐の深さなのかもしれません。

年の瀬、ポジティブに年越しだったはずなのですが、今日までの劇場招待券を見つけてしまって鑑賞、考えさせられてしまいます。今年のベストでもいいかもしれません。
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