資本主義により貧富の差が広がり続けるこの時代に、改めて彼らに着目した事が評価に値する。
マルクスやエンゲルスの生活を(マイルドではあるけれど)描きながら社会構造を浮かび上がらせることによって、あらゆる主義・主張・思想が飛び交う時代をとても分かりやすく描いていた。
マルクスだけでは『共産党宣言』は生まれ得なかった。エンゲルスとの思想の差異、夫婦の関係性なども描いていたのが良かった。無政府主義のプルードンを絡めてくる事によって、スターリン主義ときっちり線引きをしたのも良かった。
深くは踏み込んでいないけれど、流れは分かりやすい。スターリン主義により間違った印象を持つ人間が多い共産主義という言葉の本来の意味、目的を理解するのには最適な映画。