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君が君で君だのERIのレビュー・感想・評価

君が君で君だ(2018年製作の映画)
3.6
偏愛なのか純愛なのか、ただの愛なのか。そんなのはもう「僕は君が好き」の前ではどっちだっていいんじゃないかとさえ思えてしまうよ。

公開初日に観てきました。松居大悟オリジナル作品「君が君で君だ」。池松壮亮さんは本当に素晴らしいね。もはやイキキッタ役でさえ可愛くてその魂が伝わってきて正解になる。もうずっと観てられるなという尾崎豊で、志村くんだった。相手役のキム・コッピさんもとても素敵な笑顔で、彼が尾崎豊になってしまったのもうなずけるほど魅力的なソンちゃんだった。

10年間の覗き見してるだけの片想い。名前も捨てて彼女が好きだといった人になってしまった。尾崎豊に、ブラッド・ピットに、坂本龍馬に。男たちは彼女を守る国を作り、遠くからずっとずっと見ていた。生きていく中でいろんなものを無くして変わってゆく彼女も全部。

愛されたいという気持ちをずっとずっと見てきた。彼女の家の近くに借りた小さなアパートで3人は暮らす。ストーカーなんだけど兵士なんだ。

冒頭からもう割とぶっ飛んでいて、クスクス笑ってしまった。なんかもう色々通り越して可愛い。高校生の時のシーンとから、大学で田辺さんを拉致っちゃうシーンとか、レコード屋のときめきも可愛い。彼女が笑うたび目が釘付けになる。そして何と言ってもひまわり畑のナゾのダンスが超絶可愛かったです。あれは反則。

池松壮亮さんも、満島真之介さんも、大倉孝二さんも3人ともめちゃくちゃ楽しそうだった。映画を作るエネルギーが漏れ出ていた。そして薄眉毛の向井理さんがめちゃくちゃ好みだった。笑

上映後、舞台挨拶で池松壮亮さん、キム・コッピさん、満島真之介さん、松居大悟監督が撮影秘話を色々話してて、髪の毛食べちゃうシーンの壮絶さや監督のこの映画で描きたかった事なんかが聞けて面白かったです。

思い続ける事。この気持ちがなんなのか誰も教えてくれないからよくわからないけど、と言ってた少しだけ君に触れて、胸が爆発して海に飛び込んじゃうシーンで不覚にも泣きそうになる。

池松壮亮さんは、映画界の宝物ですね。
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