マーチ

君が君で君だのマーチのレビュー・感想・評価

君が君で君だ(2018年製作の映画)
4.4
レビュー書いてて訳分かんなくなるほど、この映画は説明不可能! 理屈じゃ語れねぇ、考えるな! 感じろ!!

この爽やかなポスターすら狂気を秘めていて、誰もが驚き、嫌悪し、笑い、泣く!!


【🌻レビュー🌻】

《僕が僕であるために》

今年の邦画暫定1位!!(しかも圧倒的に)

まずはじめに言っておきますが、この映画は最低です。10年もの間、1人の女性にストーカーをし続ける3人の男が主人公なのですが、彼らの行動は常軌を逸していますし、明らかに犯罪です。実際に被害に遭われた方が観れば嫌悪することは止むを得ないだろうと思われます。しかし、この映画はその行為自体を肯定などしていませんし、否定もしていません。あくまでフィクションとしてありのままを捉え、観客に判断を委ねているあたりが映画的で、今作の素晴らしい部分でもあると個人的には思っています。
🍉
今年は『スリー・ビルボード』以外に展開で揺さぶってくる作品は出てこないだろうと思っていたのに、まさかの邦画から! それもインディーズで!! これほどまでに展開だけで楽しませてくれる作品が現れるとは!!!
勿論『スリー・ビルボード』ほど良質な脚本という訳ではありませんが、途轍もないというか途方もない驚愕の展開の連続で、右へ左へと容赦なく半端ないインパクトを持続させながら我々のことを揺さぶってきます。
🎐
また何がスゴいってこの映画、我々観客のありとあらゆる感情を剥き出しにしたかと思うと、呼び名のある感情に該当する全ての枠を超越し、我々が感じ得る“新たな感情”すら生み出してしまっているのです!!
なので、この映画で感じ取ることの出来る新しい感情に、まだ名前はありませんっ!
(誰か名付けて 笑)
🏝
この映画のキャッチコピーが「この愛は純情か、それとも異常か。」で、最初は明らかに「異常だろ!/ 気色悪い!」と思っていても、後半には「あれ…これ純情かもな…?」と不思議なことに心が乱されてしまう、それほど異質ではあるものの真摯にひたすら姫(キム・コッピ)のことを監視し、祈りを捧げ、幸せを願う3人。どうしようもなくバカで、どうしようもなく最低なあの3人のことを鑑賞後もひたすら考えてしまうし、あの3人のくだらないやり取りを永遠に観ていたいとさえ思ってしまう。これはきっとダメな奴ほど可愛く見えるってことなんだと思うんだけど、そういう犯罪と親しみのスレスレのジレンマみたいなものを描き切った松居大悟監督が純粋に恐ろしい。笑 唯一無二の世界観ではあるが、同時に唯一無二の“変態”だと思う。笑
🏄‍♂️ 🏄‍♀️
もっと内容についてあれこれレビューしたいんだけれど、観た人なら分かると思いますがこの映画は説明不可能なんです!笑 もうホントにありと凡ゆる普遍や常識を逸脱してしまっているので、104分で自分が感じた事が全てだし、なぜそれだけ不規則なのに1本の映画としてしっかり纏まっているのか訳が分からないんです!!笑 しかも鑑賞後に「104分だったのかよ!」と思わずにはいられないほど濃厚で、これ以上に無いのではないかと思うほど、偏愛を突き詰めている怪作!!!!
⛵️
もうとにかく劇場で自分の目で確かめてくれないとこの異常な興奮は伝わりません!
上映が終わる前に、是非とも劇場で観ておくべき今年1番の奇作なのでお見逃しなくっっ!!!!!!
(七夕🎋公開すら皮肉に感じる… 笑)

観た人の数だけ、解釈が存在します。
また、鑑賞後には尾崎豊の名曲を聴きたくなること必至です♪


【p.s.】
意外にも1番マトモじゃないような奴が1番マトモだったり、俯瞰してる側が次第に肩入れしてくれちゃったりと善悪の概念を徹底的に篩にかける感じが面白いですし、基本はコメディなのでひたすら笑っていられるのですが、笑っていながら固まってしまったり、明らかにブラックユーモアっぽく笑いを誘っているような場面でも己の倫理観的に笑えない部分があったりと、コメディという下敷きの中で笑いの多様性を掘り下げて暴れ回ってみせる松居監督はとっても意地悪だなと思いました(良い意味で)。

「池松壮亮…嘘だろ…」という瞬間が、誰しも一度は訪れるようになっていて、彼の演技幅の底知れなさを知りましたし、演技派の彼が尾崎を演じたからこそ光り輝いて見える瞬間も訪れます。そういう対極な狂気をいとも容易く振りかざして見せる池松くん…マジ半端ないっす!!

尾崎とブラピと龍馬をわざとミーハーに演じさせている松居監督ニクいですね〜、笑いのラインをしっかり弁えている感じが伺えます。

強いて言うなら、ラストの二重オチは「観客にその後を委ねる」ための仕掛けなんだろうけど、それにしてはクドいので、違う方法を考えるか、どちらか片方にして欲しかった。

名言「少し切ないです。」は1番笑ったところで、そういうセリフのマジックがある映画が個人的には好きです。

というか、本当にこの作品レビューできないよ… 笑 レビュー書いてて今年1番困惑しましたもん…😅笑


【映画情報】
上映時間:104分
2018年/日本
監督・脚本・原作:松居大悟
出演:池松壮亮
キム・コッピ
満島真之介
大倉孝二
高杉真宙
向井理
YOU 他
概要:『アズミ・ハルコは行方不明』など
の松居大悟監督が自らの原作を映画
化した異色の純愛ドラマ。恋した女
性が好きな人物に成り切り、10年に
渡って彼女のことを見守ってきた男
たちの愛の行方を描く。