おみの

君が君で君だのおみののレビュー・感想・評価

君が君で君だ(2018年製作の映画)
4.5
わたしたちはここで生きていかなければならない以上大方はいずれはいわゆる「正しいもの」に回収されざるをえない、「正しい」としてすでに提示されているものが結論として結局辿り着くものである、せっかくババアたちが発見してきた「正しい」の解体を試みる活動など単なる愚かな迂回、時間の浪費でしかない。というようなことはやらなくてもそらわかるやんって話やねんけど、そういう空気あるけど、いやわたしにそれがわかるのはたぶん一般にそういわれているからわかる気がするだけ。わたしはそれをわたし自身ではわかっていない。そういうわたしたちにありえるのは、わかりきってることにしてやらないという成り行きと、わかりきらないということがわかるまで追ってみるという成り行き。この映画は後者、わたしたちを(親切にもつとめて効率的に合理的に)飲み込もう丸め込もうとしてくる定型を逆に食い散らかしてみた人の話、いやそんなんめっちゃ見たいわな〜そういうのが見たいよな〜映画よ〜
たとえば「とにかくめっちゃ見たい」という相手を前にした人間の「こちらに保ちたい形状などない」事態の報告として『シェイプオブウォーター』、全然ちゃんと人間語になってない人間の感情を取りこぼさない態度として『彼女の人生は間違いじゃない』、せやん映画はこうがいい、考えれば考えるほどスコア上がる
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