『イン・ザ・ハイツ』からの流れで、同じジョン・M・チュウ監督のこちらをAmazon primeで初鑑賞。
中国系アメリカ🇺🇸人のレイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)とシンガポール🇸🇬の大富豪ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)による格差恋愛・格差婚の現代アジア版シンデレラ物語。
話自体は今更というかこれといって曲がないシンデレラものながら、そういった物語自体は西洋に限らず、日本にも落窪物語、中国にも葉限などがあり、普遍性があるとは言えるだろう。本作はそれに『私ときどきレッサーパンダ』でも描かれていた欧米的な「個」と東洋的な「家」の価値観の衝突がテーマとして加えられている。
今作でなによりまず注目すべきはハリウッドメジャー映画としては『ジョイ・ラック・クラブ』(1993)以来という大規模なアジア系キャストで作られていること(そういえばどちらの映画も麻雀🀄️が重要な役割を果たしますね)。
先に挙げた主演の二人に加えて、レイチェルの重要な友人役にオークワフィナ+その父親役にケン・チョンのお笑いコンビ、ニックの強烈なタイガー・マム役にカンフー映画の重鎮ミッシェル・ヨーが圧倒的な存在感を発揮。そしてニックの従姉妹にジェンマ・チャン、さすがMCUの『エターナルズ』でアンジェリーナ・ジョリーを抑えてセンターを張るだけのことはある、実に実にお美しい(眼鏡👓姿もあり)。。あと個人的に、あれ、この人見覚えあるんだけど誰だっけ?となったのが、金融業を営むニックの従兄弟役ロニー・チェン。Netflixで『ロニー・チェンのアメリカをぶっ壊す』という面白いスタンドアップ・コメディで観たことがあったのだった。
そんな豪華アジア系出演陣がそれに負けない胸やけするほど豪奢なセット・衣装で大暴れ。ロケランで花火🎆を打ち上げる船上パーティやらホテル内にジャングル生やした結婚式場なんかはゴージャス過ぎてもはや笑うしかない。
さすが後に『イン・ザ・ハイツ』を撮る監督だけあって音楽の使い方も楽しい。レイチェルのお着替えシーンにかける'Material girl'の謎のカバー曲とか。ジョン・M・チュウ監督は過去にジャスティン・ビーバーの音楽映画なんかも撮っているようだ。
最後はシンデレラ系ラブコメらしいエンディングに当然なるわけだけど、この歳になると、こりゃ結婚した後の方が大変だぞ〜などとついつい余計なことを思ってしまうけど、どうやら続編"China Rich Girlfriend "と"Rich People Problems"の2本の映画企画も進行中らしい。
原題は"Crazy Rich Asians"。邦題がAsiansをのけて「!」を付けたことについては議論があるようで、日本で「アジア」という言葉の持つややこしいニュアンスが関係してるんだろうなーと推察される。でもそのまま普通に『クレイジー・リッチ・アジアンズ』じゃだめだったんですかねー?