おなべ

クレイジー・リッチ!のおなべのレビュー・感想・評価

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
3.4
全米で大ヒット!ほぼアジア系キャストで贈る異色のラブコメ映画。シンガポールを舞台に超リッチな金持ち達が昼夜問わず豪華な屋敷で 食う 寝る 踊る!! やる事なす事そのスケールの大きさに思わず絶句。そんな超リッチな世界で繰り広げられる王道のシンデレラストーリーは万国共通で通ずるものがあったらしく、

《ジャスティン・ビーバー》
《クリス・プラット》
《エマ・ワトソン》etc…

その他多数の外国人が賞賛の声を寄せている。Filmarks上の評価も高く総合的に高評価だが、個人的には全くハマらなかった。

監督を務めたのは『グランドイリュージョン』の《ジョン・チュウ》監督。その他『オーシャンズ8』でクセの強い役柄で存在感を示した《オーク・ワフィナ》が出演している。あらすじは割愛。

総じてBGMはエキゾチックな音楽やノリノリの音楽、感動的な場面には煽情的な音楽など物語の良い味付け役として機能しており、その選曲のセンスにかなり好印象を抱いた。

加えて、クセの強い友達を演じた《オーク・ワフィナ》の好演が唯一の救いどころか。その気取らない性格に自然と愛着が湧き、『オーシャンズ8』同様クセの強い強烈なキャラは否応無しに印象に残った。

何故評価が低いのかと言うと「金持ちの醜悪さに吐き気がしたから」である。疎ましいが故に嫌がらせをする女軍団、意味も無く発狂し金をばら撒くパリピ、体裁や面目に拘る御高い人々、信じられないくらいバレバレの建前を量産する事で成り立つ人付き合い、妬み嫉みが蔓延したセレブの雰囲気、平気な顔でパーソナルスペースに入ってくる変態…etc…恋愛そっちのけでリッチな世界観に馴染めなかった。


以上の印象を踏まえ、かなりの偏見だが「いい大人が淫らに騒いでみっともない…」「暇人かよ!」「一生踊ってろ!!」と言うのが素直な感想だ。金持ちだからって何でも許されるわけじゃないと教えてやりたい衝動が、物語に感情移入するより以前に強く働いた。ある意味、反面教師の良いお手本として観るべき作品なのかもしれない。
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